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​フランス額装の用語集

日本でもフランス額装を「Encadrement(アンカードルモン)」と言うことがあるように

材料やテクニックにはフランス語を用いることが少なくありません。

ネットでの情報発信が盛んな現代では

フランスで発信された額装情報を簡単に日本でも見たり、購入したりできるので

基本的な額装用語を、フランス語でも覚えておく価値があると思います。

フランス額装用語の基本的なもの、覚えておくと便利な用語をご紹介します。

​黄色文字はフランス語表記です。

材料や部位などに関する用語

ドキュモン

Document

​額装する作品。

イラストや写真などの種類に関わらず、額装する作品はすべてドキュモンと呼びます。

カルトネット

Cartonette

額装用のマット紙のうち、1mm厚さの紙をカルトネットと言います。

作成用の設計図などには、短縮して「CT」と書くこともあります。

額装の表を飾る主役級のマット紙で、最も使用頻度が高いものです。

カルト・フォン

Carton fond

2mm厚さのマット紙。

「fond」は「底」という意味で、額装の裏板に使うのが通常この2mm暑さのマット紙です。

短縮して「CF」と書くこともあります。

カルトン・ビゾー

Carton biseau

​3mm暑さのマット紙。

「biseau」は「傾斜」「斜断面」のことで、通常​3mm紙をカットして斜断面を作ります。

短縮して「CB」と書くこともあります。額装に厚みや立体感を出すときに用います。

カルトン・ムース

Carton mousse

スチレンボード。

「mousse」とは「発泡スチロール」のことです。短縮して「CM」と書くこともあります。

カルトン・ビゾー(3mm厚のマット紙)よりも、さらに厚みや立体感を出したいときに用います。

フネートル・イマージュ

Fenêtre Image

​「fenêtre」とは「窓」という意味。

額装では、絵や写真、カードなどを見せるために作る窓のことを指し、「フネートル・イマージュ」はその窓のサイズを意味します。短縮して「F・I」と書くこともあります。

額装する絵や写真、カードのどこを見せるかによってサイズを変えることができるので、このフネートル・イマージュを決めることが額装デザインの第一歩となります。

パス・パルトゥ

passe-partout

「passe-partout」は「合鍵」という意味があり、転じて、さまざまな絵や写真を入れ替えられる額という意味を持つようになりました。

額装用語としては、額装するものを見せる窓と額縁までの空間を指します。

額装はパス・パルトゥの空間をどのくらい取るかで決まると言えます。

パピエ

Papier

フランス語で「紙」のことですが、額装では「化粧紙」を意味します。

マルジュ

Marge

「Marge」とは「余白」「マージン」「バッファ」のこと。

一般に、マット紙にフネートル・イマージュのライン取りをするとき、そのマット紙の端からフネートル・イマージュのラインまでの幅を「マルジュ」と言います。

たとえば「9㎝のマルジュを引く」とは、マット紙の周囲から9㎝のところにラインを引くことを意味します。

アノー

Anneau

額装を壁に掛けられるようにするリングのこと。

手芸用リングの9ミリくらいのOカン、Dカンで、麻テープなどでセットします。

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​フランス額装の用語集
テクニックに関する用語(あいうえお順)

アントル・ドゥ・ヴェール

Entre doux verre

2枚のガラス(アクリル板)にドキュモンをはさむテクニック。ガラス(アクリル板)面が透け、中のドキュモンが浮いて見えます。マットも一緒にはさんで、額装の一部分だけが透けて見えるようにすることもできます。

アントル・トワ・ヴェール(Entre trois verre )は3枚のガラスにドキュモンをはさむテクニック。

オーヴァル

Ovale

「ovale」とは楕円形のこと。ビゾー・オーヴァルは、ドキュモンが見える窓を楕円形にしたデザイン。

オクトゴナル

Octagonal

「Octagonal」とは八角形のこと。ビゾー・オクトゴナルは、ドキュモンが見える窓を八角形にしたデザイン。

カルトゥーシュ

Cartouche

巻き軸装飾のこと。紙の両端あるいは四隅が内側に巻きこまれたようになっている図様で、中の空間に文字や紋章などがかかれたものを言います。

巻き紙形の他、楕円形や長方形、円や楕円形と長方形の組み合わせなど、いろいろなバリエーションがあります。

ゴルジュ

Gorge

「gorge」とは「峡谷」「溝」という意味。

マット紙の一部をカットして取り除き、そのくぼみに別の化粧紙などで装飾するテクニックです。

パス・パルトゥ・サンプル

Passe-partout simple

​パス・パルトゥを1枚だけ作り、額装を仕上げる基本的でシンプルな技法。

パッケ

Paquet

ガラス(アクリル板)からマット紙、ドキュモン、そして裏板までを、一緒に合わせて水張りテープなどで側面を覆い、一体化させた状態。

作品を保護するとともに額装を補強します。

パヴェ

Pave

パヴェとは「敷石」のこと。

スチレンボードなど厚みのあるものの上にドキュモンを置くことを「パヴェ」と呼びます。

ビゾー

Biseau

「biseau」とは「傾斜」「斜断面」のこと。

厚紙を傾斜をつけてカットした部分のことで、ドキュモンを囲む部分に用いることが多いです。

■ビゾー・クラシック(biseau classique):45度の斜断面にカットした窓をつくること。ビゾーの基本的な技法で、ビゾー・ビエ(Biseau biais)」とも言います。

​■ビゾー・ドロア(Biseau droit):斜断面を90°度、つまり垂直(直角)にすること。

■ビゾー・ファンタジー(Biseau fantaisie):幅広の斜断面のこと。「ビゾー・フォンセ(Biseau fonce)」とも言います。

■ビゾー・アンヴェルセ(Biseau inversé):斜断面を逆向き(山のように末広がり)の45度に仕上げること。

■ビゾー・オクトゴナル(Biseau ioctagonal):ドキュモンを囲む窓を八角形にして斜断面をつけること。

フィレ

Filet

フランス語で「糸状(線状)の物」という意味で、化粧紙を切ったり折ったりして細いラインにしたもの。

差し色として使います。

■フィレ・デシレ(Filet  dechire):数色の色紙を手でちぎってずらしながら重ね、フィレとして使うテクニック。色のハーモニーやちぎった切り口のラインで効果を出します。

ポアンテ

Pointe

​「Pointe」とは「点で印を入れる」という意味。

斜断面の角と、その上にのせているマットの角をしっかり合わせるために印をつけることを言います。

ミュルチプル

Multiples

​1枚のマットの中に複数の作品を収めるテクニック。

ラヴィ

Lavis

フランス語で「淡彩画」のことを指し、額装では​マット紙の窓枠を彩色したり、テープで縁取りして装飾をすることを言います。

ルリエフ

Relief

英語の「レリーフ」と同じ意味で、「凸版」「浮き彫り」のことを指します。

マット紙を重ねた上から化粧紙で包み、レリーフのような効果を出すテクニックです。

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​フランス額装の用語集

用語集監修/巽英里

(東京・巽英里アトリエ主宰)

テクニックに関する用語
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