フランス額装について
フランス額装は、フランス語で「Encadrement(アンカードルモン)」と言い
日本でもこの言葉を使われることがよくあります。
日本の「額装」とどこが違い、なぜ「フランス」額装なのでしょう?
「額装」とは 絵や写真、書画などを額縁の中に入れて収めることです。
日本では「額装」、アメリカでは「Framing(フレーミング)」
フランスでは「Encadrement(アンカードルモン)」と言い
多くの国にありますが、そのスタイルは同じではありません。
トップページの「フランス額装ギャラリー」をご覧いただくと分かる通り
フランスの「Encadrement(アンカードルモン)」は
デザインも、色彩も、技法も
バリエーション豊かで創造性に富み、そして自由です。
日本で一般的に知られている「額装」のイメージとは大きく異なります。

額装の基本的な目的は
作品を木枠とマット台紙、UVカットのアクリル板で保護して劣化を防ぎ
同時に、作品をより引き立てることです。
日本の額装はこの目的を重視したスタイルで、見た目はシンプル。
通常、額縁製作会社や専門の職人などの手で行われ
一般向けの教室はほとんどありません。
しかし、フランスではそうした専門家の仕事としての額装に加え
自宅の壁を飾るインテリアとして
また、カルトナージュなどと並んで気軽に始められる趣味として
昔から一般の人々に広く親しまれてきました。
街には多くの額装店があり
現在も数多くの教室が開かれています。
その長い歴史と文化を背景に、額装家の国家資格制度も設けられ
さまざまな技法が生み出されてきました。
伝統的な技法だけで何十種類とあり
さらに自由創作の中で、今もバリエーションが広がっています。
額装する作品も、絵や写真などに限らず
ポストカードや雑誌の切り抜き
立体のもの(思い出・お気に入りの品など)など
自分の気に入ったものを気軽に額装します。
額縁の中に収めるだけではなく、自由な発想とセンスでイメージを広げ
デザインし、色や立体感を加え
たった1つのオリジナルに仕上げます。
そうしたデザインや技法、アレンジを楽しむものが
「フランス額装(Encadrement/アンカードルモン)」。
「額装」と区別して、あえて「フランス」がついている理由がここにあります。